特に最近のように、住まいが洋風化し、また建て主の要求が多様化してくると、住宅にも型紙がないと建てようがありません。
どんなに口で伝えてもデザインのイメージ統一は困難でしょう。
この点を無視して「わかった、わかった」という大工さんの返事を信じて任せると、「こんなつもりではなかった」というようなイメージのズレが生じて、きっとトラブルになり、悔いを残すことになりましょう。
ただ、なかには「設計部」があり、建築士のいる工務店もありますから、直接工務店に頼むときは、確認してみるのも手です。
では工務店や棟梁、つまり施工業者に直接依頼した場合と、設計家が間に入った場合とではどんな差が出るのでしょうか。
住宅内での人の流れ、主婦の作業動線、各個室間のプライバシー確保など、いわゆる合理的で住みやすい間取りをつくれる。
住み手の服装の好みなどから、その家族に合ったインテリアカラーを選定し、色彩心理学の視点から、眠る部屋、食べる部屋、くつろぐ部屋に適した色を選んでくれる。
デザイン的に見て、いわゆるカッコいい家を設計してくれる。
工事費の配分を考慮し、適材適所主義で材料の選択をする。
「この床柱は10万円です」と自慢するような無意味なことはしない。
施工業者から提出された見積書の金額が、妥当であるかどうかチェックする。
現場監理をしてくれる。
工事が設計図どおり施工されているかどうか、現場に出向いて監理するため安心。
などさまざまな利点があります。
したがってイメージどおりの家を建てようとする場合、または、より質の高い建物を志向する場合には、どうしても設計者に参加してもらうことになりましょう。
設計者が参加することで、建て主と施工者との間に緩衝地帯ができて3者契約となり、理想的なコミュニケーションも生まれます。
設計家が参加したほうが、希望も実現させやすいし、よい家ができることはわかっている。
設計料あるいは設計監理料を払う予算がないから、という人もいるでしょう。
では設計監理料はいくらか。
正式には複雑な計算方法があって、それに従って算出されますが、概算的にいうと、総工事費の6〜10%くらいです。
したがって1500万円の家の設計を依頼した場合、6%なら90万円、10%なら150万円になります。
ただ、住宅の場合は個人対個人ですから、知りあい、交渉の仕方では5%も可能といえるわけです。
仮に低率にしてもらったとしても、やはりようやく調達した住宅資金の中から、数10万円を支払うのは確かに負担かもしれません。
ではこの金額を、受け取る側の設計家から見た場合どうでしょう。
十分なのでしょうか。
その判断は設計家の仕事内容で見たいと思います。
まず建て主との打ち合わせを数カ月つづけ、その後、基本設計、実施設計、現場監理までやると、少なくとも半年間はかかるでしょう。
それにプラス創造性、人件費、交通費などを考えると、決して高くはないのではないかと思えてきます。
それでも設計家に支払う費用は節約したい、高品質の家はつくりたいというジレンマに陥ったときは、1つの方法として部分的な依頼も可能です。
この場合、全体の設計監理料を基準にした部分の割合は、基本設計25%、基本設計十実施設計80%、現場監理30%、見積書と工事契約の査定10%となっていますから、一部を頼むこともできるのです。
ただ部分的な依頼のほうが高いのは右の率でおわかりのとおりです。
設計を頼む人が決定したら、次は実際に工事をやってもらう建築業者選びになります。
設計者を探し、選ぶ以上に大切で、この人たちの腕が悪いとできばえに満足できません。
そこで安心できる工務店の探し方、選び方を次項まで9項目にまとめてみました。
設計者には、自分が設計したものを施工してもらう工務店が必ず何社かついています。
紹介してもらえば、いわゆるツーカー部分がたくさんあり、仕事はスムーズにいきます。
ただこの組み合わせだと、グルになって高い見積りをするのではないか、と疑う人もいますが、設計者選びが間違っていたわけで、ちゃんとした仕事をする人であれば、そういう心配はありません。
ここまできたら信用して任せるほうが賢明です。
近くの工務店なら評判もわかるでしょうし、向うも隣近所ですから、信用第1にていねいにやってくれます。
また将来的にもアフターサービスの点でなにかと便利です。
ただ同じ近所といっても、現住所の近くと建設現場の近くとがありますが、将来的にはこれから住む現場の近くのほうが有利です。
工務店の適否を判断する場合に、規模が大きいかどうかは住宅の場合あまり問題になりません。
それよりも住宅をどれだけ手がけてきたか、住宅への習熟度のほうがポイントになります。
これも設計者の場合と同じで、ピルや学校を施工している人では住宅には向きません。
住宅の新築から増改築まで、小工事を中心にやっている工務店を選びましょう。
建設業者登録というのがあって、建設大臣または有無で、登録業者であるかどうかがわかります。
なお、これらの免許を受けた業者は大手建設会社から町の工務店まで、全国で20万にものぼっています。
の都道府県に営業所をもつ業者が大臣登録、1つの都道府県だけで営業を行なう場合は知事登録という違いで、大臣登録のほうがすぐれているといった差はありません。
登録簿には、その業者の資本金、これまでの業歴などが記載されていますから、閲覧するとその業者の輪郭をつかむことができます。
登録簿は知事の設けた閲覧所(都道府県庁の建設業者許可担当課)で見ることができます。
こうしたチェックをしなければならないように、信用に不安があるようでは問題で、それ以前に近くの業者とか知人の知り合いなどを探すことが大切でしょう。
事務系の人より技術畑の人が現場にも精通していて、下請けもよく働き、スムーズというのが一般的にいわれています。
どんな仕事をするのか、その工務店の施工した家を設計者といっしょに見せてもらうと安心です。
技術的な細部までチェックできなくても、だいたいのことはわかります。
知人や友人の家を施工した工務店の場合は問題ありませんが、初めての場合はこうしたチェックも大切です。
設計者や知人の紹介だが、どうも見積金額が、納得がいかない、という場面もあるでしょう。
そんなときに二社以上に見積りをしてもらう、いわゆる競合入札をしてみるのもよいでしょう。
ただし正当性を欠くような安い見積りを出す業者もいますから注意が必要です。
仕事が欲しい場合にやる手で業者に限って工事が進むにつれて、変更があったからとか見積り違いをしていた、などの理由をつけて追加工事費を請求してきます。
結果は競合相手以上に高いものにつくということさえあります。
また見積り合わせをしてみたいが、工務店が気分を害するだろうと気がねをする人もいますが、不安な場合は内緒で見積りだけにしてもらう手もあります。
む業者が決定したら、必ず「工事請負契約」を結びます。
昔風に「ひとつ頼みます」といったどんぶり勘定的な依頼はトラブルのもとです。
「工事請負契約」は、建て主であるあなたと、工事をする業者との間で結ばれるもので、図面、仕様書など関係書類を一括して正規の収入印紙を貼り、設計者立会いのもとに双方が署名、押印します。
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